お客様の声

お客様の声:一般社団法人 東京クリーンリサイクル協会 様

2023.11.19

「進化するごみ袋」を導入して頂いているお客様のお声を掲載させて頂いております。

今回は、銀座をはじめ東京23区の事業系廃棄物の適正処理・再資源化を行っている一般社団法人 東京クリーンリサイクル協会 事務局 田上健一 様にお話を頂戴しました。

東京クリーンリサイクル協会とは

―東京クリーンリサイクル協会とはどんな組織でしょうか。

当協会は、前身を「銀座クリーンリサイクル推進協議会(GCR)」と言いまして、1997年に銀座地区のカラス被害対策をするために、都内の廃棄物業者8社によって立ち上がった組織です。

銀座の事業系一般廃棄物は、それまで朝8時以降に行政回収を行っていたのですが、それではカラス被害を防げないため、この組織が統一ルールを作成し、カラスが動き出す日の出前の時間(早朝4時~5時まで)に回収をスタートさせたのが始まりです。

 

―銀座で回収する8社が、統一ルールのもと回収するための組織ということですね。

そうです。それまで銀座の1~8丁目エリアは8社が別々に回収車を走らせていたんですが、まずは担当エリアをくじ引きして決めたんです。1丁目は㈱東京クリアセンターさん、2丁目は㈱ケイエスアイさん、3丁目は…みたいな区分けを行い、27年経った今も続いています。

そして、共通化を図るために専用のごみ袋を作り、排出事業者様にお使い頂いています。

今年の4月より、インボイスの施行に合わせて任意団体から法人化しました。東京の廃棄物をより良くしていこうという志が高い会社の集まりなので、これを機に「一般社団法人東京クリーンリサイクル協会(TCR)」と名を改め、都内の事業系廃棄物の受け皿になるべく活動を進めています。

進化するごみ袋を導入した理由

―進化するごみ袋を導入した経緯をお聞かせ下さい。

今までTCRで使っていたごみ袋の製造元さんは、中国で生産した炭カルの袋を製造させ輸入販売していました。料金は安かったんですが、一方で原料の高騰を理由に値上げしたいという打診もありました。

私が勤務する白井エコセンターでは既に進化するごみ袋を使っていたので、よく知っていました。国内生産で廃棄物由来、値段もそう変わらず脱炭素に貢献できるなら、これはTCRでも使わない選択肢はないなと思って、TCRに持ちかけた結果、今年の4月くらいから、進化するごみ袋に切り替えました。

 

ー協会に持ちかけた際の他の協会員さんの反応はいかがでしたか?

TCRは言ってしまえば脱炭素・サーキュラーエコノミーのリーディングカンパニーの集まりですから、やはり各社とも環境のために何かしたいという使命感は強いですし、できるなら積極的にやりたいという団体です。

なので、廃棄物から作ったごみ袋に切り替える事に反対する人は誰もいませんでした。全会一致で賛成いただいて、すんなり移行することができたっていうのが、実際の所ですね。

 

ー全会一致ですか!

料金もさして変わらず環境にもいいので、反対する理由がありませんでしたから。あえて反対する理由をひねり出すなら、これまでずっと問題のなかったものを変えるのって、何かあったときに責任取りたくないって意識が働くのか、我々業者も排出事業者の担当者もすごく考えるんですよね。

かくいう私も、自社が進化するごみ袋に切り替える際には、袋に20kgくらいの廃棄物に見立てたものを入れて色々と試させて頂いたので、気持ちはすごく分かります。袋が破れる・裂けるのが一番心配でした。やってみると、破れにくいし、ストレッチフィルムを原料にしてるので伸びが強い感じで、使用する上で全く問題なかったですね。

TCRの方でも、テストして問題なかった旨を共有していたので、それもスムーズに決定が下りた理由の1つかもしれません。

それに、これだけ世の中が環境にいいことをやりましょうって言ってる中で、お金をかけて何かやるのは大変ですが、特段何かするでもなく手軽に環境に貢献できる。それは、お客様にとってもありがたい話だと思うんです。

なので、今後ひょっとするとお客様にも我々が環境配慮の側面についてもっと説明する必要があるかもしれませんね。

 

ー難しいですよね。ごみ袋について意識を割きたくないって方もいらっしゃると思います。

確かにそうです。一応、そういう案内をお客様へ文書でお送りしたこともあるんですが、小規模排出事業者ほどどこで作られ何からできているのかについて関心を示すお客様はまだ少ないです。

なので、営業がお客様と話す際に、何かのついでに話題に出すみたいな感じで、時間をかけてご理解頂ければと思っています。気がついたら「環境に良いごみ袋を使っていた」なんて後で気付いてくださるお客様もいるかもしれませんね。

 

―毎月どのくらいの枚数を使っていますか?

45Lの可燃ごみが2,000枚/月くらい、70Lが1,500枚/月くらい。あとは45Lの不燃ごみが1,800枚/月くらいで、70Lの不燃は扱っていません。

(※バージンプラ製のごみ袋と比較して、CO2削減量は約718kg/月)

これからの進化に期待すること

―協会の今後の展開について教えてください。

今後の展開としては、業界全体でドライバー不足が深刻になってきていますから、さらに効率のいい回収の仕組みを作っていきたいと考えています。そのために、もっとDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めていきたいですね。


―今はどんなデジタル技術での効率化をしているんですか?

現在、当協会は事業系廃棄物の共用デジタル受付サイト「ごみ.Tokyo」を通してのDX化を進めていて、現在は銀座通連合会推奨のサービスとして多くのお客様にご利用いただいています。

これによりお客様はスマホ1本で電子契約の締結や袋の注文、支払い決済、電子マニフェスト加入の同意、インボイス制度のための納品書の印刷もできるようになりました。事務作業が効率化されますし、我々回収側も効率的な連携収集ができます。

進化するごみ袋の今後の展開の1つに、ごみ袋にRFIDタグ*を付けて、排出ごみをデジタル管理する構想があるそうなので、それをいち早く活用して、より一層のDX化をしていきたいですね。

(※RFIDタグ…電波で遠距離から読み取りできる小型で安価なラベル。バーコードに変わる管理手法として様々な業界で導入が進んでいます)

 

ーRFIDタグ活用に期待することは何ですか?

我々のメリットは、第一にはごみの量のデジタル管理でしょうか。それにより回収ドライバーの人的ミスを防ぐとか、作業効率を上げるとか、事務処理やマニフェスト管理を自動化、ひいてはお客様のコストに反映できるようになってくれないかと思います。

もう一方の排出事業者様のメリットとしては、自分が出したごみのデータを好きなときにPC上で確認ができるので、廃棄物管理や報告、減量や再資源化の数値指標として活用してもらえると考えています。お客様が改めて排出事業者責任を認識し、我々と一緒になってサーキュラーエコノミーを実現する、そのためのコミュニケーションツールとなれば嬉しいです。

我々の業界って、法律上は排出事業者責任と言われているものの、なかなかその責任って曖昧になって無視されがちなので、そこを改めて考えて頂くきっかけを私たちから提供できる。最新技術を上手く取り入れながら、我々も提供価値を高められたらと期待しています。

 

ーありがとうございました。

 

取材日:2023.11.01

一般社団法人 東京クリーンリサイクル協会 様

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